老愛小説 mobiダウンロード

老愛小説

strong>本, 古屋健三

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によって 古屋健三
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内容紹介 パリ、グルノーブル、京都、東京──。長く暮らしたフランスから日本に舞い戻った大学教師。訪れた京都で出逢った女と、異国に置き去りにした女、そして幼い日に消えた母への追憶。過去と現在、異国と日本、男と女の思いが交錯する。主人公と同じく、長くフランスに暮らし仏文学研究に勤しんだ著者が圧倒的筆致で放つ幻想純愛譚。濃艶な三篇を束ねた小説集。 出版社からのコメント 大学生の頃より私は、古屋先生の中に広がる闇を感じていた。闇の正体は何であったのか――。その答えを「老愛小説」の中に見つけた。(文芸評論家・福田和也) 内容(「BOOK」データベースより) 時を越える幻想恋愛譚。 著者について 1936年東京下町生まれ。慶應義塾大学名誉教授(文学部・仏文学専攻)。グルノーブル大学文学博士。『三田文学』元編集長。著書に、『「内向の世代」論』(慶應義塾大学出版会)、『永井荷風、冬との出会い』(朝日新聞社)、『青春という亡霊』(NHKブックス)、訳書に、スタンダール『赤と黒』(学習研究社)、『パルムの僧院』(講談社)、ゾラ『野獣人間』(電子書籍版、グーテンベルク21)など多数。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 古屋/健三 1936年東京下町生まれ。慶應義塾大学名誉教授(文学部・仏文学専攻)。グルノーブル大学文学博士。『三田文学』元編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 続きを見る
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中篇集『老愛小説』(古屋健三著、論創社)に収められている『老愛小説』は、何とも不思議な作品です。たまたま出会った旧友から、彼の愛の履歴を縷々聞かされているような錯覚に陥ってしまいました。語り手は、30年前のフランス留学中に、当地で知り合った日本人少女の首吊り自殺に直面し、なぜ死を選んだのか分からず、未だにその衝撃から抜け出せていません。帰国後、出身大学の語学教員になった語り手は、京都の老舗旅館の娘と同棲を経て結婚するのですが、30年経過したというのに、妻は未だに不可解な存在であり続けているのです。「三十年連れそってきた古女房にぞくっとおののくというのはずいぶん気のいい話と呆れられるかもしれないが、それほどわれわれふたりの関係は積み重ねが薄いともいえるし、また、妻のふるまいが並外れて風変わりともいえた。最初、妻に惹かれたのも、容姿に目を奪われたからでも、人柄に魅せられたからでもなかった。まわりと溶け合わず、なにかといってはぎくしゃく浮きあがるその不器用さが心にかかり、しこったからである。学者や文化人を常客とする京都の古宿の娘だったが、姉が身を惜しまずにくるくると働いて、二十に手が届いてほころびかけた色気を惜し気もなくばらまいているのに対し、膝をかかえてじっと坐りこみ、純な幼さをむき出しにみせていた。それも考えこんでいる風ではなく、途方に暮れ、放心している態だった。人を寄せつけない、頑な閉じこもりだったが、その日は梅雨にけむる庭を朝からみつめつづける横顔に思いつめた表情が浮かび出ていて、思わず声をかけていた」。その後の妻のあり様は、語り手が言っているように、風変わりというか、支離滅裂というか、奇想天外というか、ともかく尋常ではありません。その様が綿々と語られていくのです。それにしても、死の直前の妻の言葉は不気味さを感じさせます。「こわいものみないように守ってあげるよと囁くと、この日初めて京子は笑みをもらした。お姉ちゃんのカレシもそうだけど、男ってみんな甘ちゃんだね。女はね、だれしもね、心のなかに底なしの泥沼を抱えているんだよ」。長年連れ添っている女房のことは分かっているつもりでしたが、思わず心配になり、「心の中に底なしの泥沼を抱えている?」と聞いたら、怪訝な顔をされてしまいました。

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